この作品の監督(吉田恵輔)氏が自己の体験(喪失感)を大フアンである堀北真希を使って具現した母と娘の親子愛を描いたこじんまりと纏めた小品な佳編作である。
真希さんの演技は母(余貴美子)と交わる部分が特に優れているが全般的に彼女の従来の作品と比べて最高の出来であろう。

吉田監督の作品は見ていないので比較は出来ないが、他の作品とは随分と異なる作風になっているらしい。

遺骨埋葬のため母の里に赴き昔の母を知る事で、母に対する
怨念を反省し喪失感を味わうけれど、この部分がこの作品の
ポイントであり核心であるはずなのに、母がアイドルを目指すのみの描写だけとか脚本の描きの底が浅く、尺を多く取り
じっくり描いてほしかつた。

離婚し子を捨てたミチル(麻生祐未、好演)を責め母への批判
として描いたのは良かった。

作風としてスピーディタッチでサッサと進行しドーデモええ
部分は無くかと思うと此処はと思われる処は重い描写で、
非凡な職人監督の片鱗を見せる技巧は匠である。

挿入曲として(赤いスリー？)とかに感動したと言う人が多い
ようだが、これは恋愛唄でありこの作品との関連性は皆無。

私はそれよりもエンドに流れる詩情感溢れる曲が良かった。

亡き母と同じ病で余命3ヶ月の少女が小さいとき住んでいた地へ幼馴染に会いに行くひと時を、実写的に作り上げた小品。
広木隆一と言う監督はそう若くも無いのに感覚が非常に若い
少女が自転車で疾走するとか、バス内でバスガイドを真似るシーンで異常な長回しをしてアレッと思わせることをサラッ
とやらかすのである。

内容としては別に無いに等しい作品ではあるが、若い時の
堀北真希の生き生きした面と悲しい現実を背負った役柄を
クールに演じて演技に成長が見られる。

オデコ出しの真希ちゃんが本当に魅力的で可愛い。

これで脚本が良ければ、言う事なしだったのに残念。

手振れ酷すぎ　雑音大きい　と色々欠点もあるが、ラストの
バスガイドの場面は自分の演技に納得せず、もう一回やらせ
くれと頼んだとか、若い女優には無い根性と絶賛の記事も見
られた。

この作品で感動したのは、幼馴染のバスを見送る堀北真希の
正面カット入れずに寂しげな後ろ姿・・・切ない感見事。

確かに脚本は良く出来ていて面白く助演の小泉今日子や杉本
哲太　宮本信子等中々良い味出して好演。特にキョンキョン
がたいそう魅力的で良かった。あと特に言う事なし。

有川浩の原作はタッチが軽快でユーモアに富んでいて面白くはあるが、さてこれを映像化となると制作サイドはかなり困窮したのではないかと思われる。まず会話ばかりで
ロケーション部分が少なく明神山でのパラグライダーと
馬路村の温泉地めぐりぐらいで後は室内ばかりである。

そして内容は、高知観光のため県庁に(おもてなし課）を
新設しアルバイト職員や元職員を使い観光振興に協力を依頼高知全体を包括したレジャーランド計画を打ち上げる。

という話しで愈々その計画が進行するかと思いきや其の案は受けるが実行は検討するという何とも中途半端な話し。

こんな何の発展性も無いお話を映像化しても面白くもクソ
も無いので２組の恋愛模様を膨らませているのであるが、
ベットシーンはおろかキッスも無いと言う至って清爽で純真というか小さなお子様連れて観ても安心と言う（笑）

高知の山の展望は爽快だしパラグライダーに乗った感じも
しての雰囲気も出していて風景の画面構成も凝っているし有名な青空市場も見せてもらえます（喜）

まあ錦戸と堀北のファンは不満皆無とは思うが、一般的
には話しが話しだけに何コレッて思うかも知れぬ。

それにしても真希の多紀ちゃんの可愛い事といったら・・
佐和（関めぐみ好演）に水を掛けられた掛水の錦戸君の
あのスケベ臭い笑い顔はひどく印象に残るがです。